コンサルティング業界

「新卒で外資コンサル」の4つのメリットと3つのデメリット

コンサルに新卒で入社するメリット・デメリットは?
各社が採用拡大している中で、コンサルを選ぶ意味ってある?

上記の悩みを解決します。

本記事の内容

  • コンサルへ新卒で入社するメリット4つ
  • コンサルへ新卒で入社するデメリット3つ

本記事の読者

  • コンサル業界に興味があり、就職活動や転職活動中の方
  • 新卒でコンサルに入社して1~2年目の方

本記事を読むメリット

  • コンサルをファーストキャリアとして選択するメリット・デメリットを理解し、志望の是非を明確化できる
  • 新米コンサルタントとして意識すべき内容を把握できる

こんにちは、てらでぃーです。

近年、コンサルティングファームにおいて、その採用数は拡大傾向にあります。

また、就職活動では学生からの人気上位企業として、複数のコンサルティングファームが挙げられています。

需要も供給も高まっている一方で、内定へのハードルが下がっている、なんて話も耳にしますね。

そういった外部環境を踏まえつつ、現役コンサルタントである私の個人的な目線で、コンサルティングファームへ新卒で入社することのメリット・デメリットを紹介します。

早速、本題に入ります。

1. 新卒でコンサルへ入社する4つのメリット

1-1. 高水準な可処分所得

言わずもがな、コンサルタントの年収は同世代の他職業と比較しても高水準です。

年収の具体的なイメージは、次の記事で紹介しているため、興味があれば読んでみてください。
【気になる実態】外資系コンサルの年収は高いのか

一方、福利厚生については、他企業と比較した際に、多くのコンサルティングファームでは魅力的ではありません。
住宅補助があるファームは、ほぼ無いと言えます。

福利厚生には含まれませんが、例えば次のような名目であれば、経費という形で使った金額が支給されるため、可処分所得という観点ではプラス要素として捉えられるでしょう。
※あくまで一例です。

  • 交通費(電車/タクシー/飛行機)
  • 食費(夕飯/懇親会)

ただし、コロナ禍では出張はおろか、出社自体も控えていることが多く、上記はコロナ前の話になります。
タクシーを自由に利用できる権利は、遅くまで働くコンサルタントには必須ですね。

また、自社オフィスからクライアント先に出向く際も、基本的にはタクシー移動です。
時間ギリギリまで、場合によってはタクシー内でも作業する場合があります。

ファームによって、所属しているチームによって、アサインされているプロジェクトによって、経費利用のルールは異なりますが、いずれにせよ節度とモラルを守った行動が大切です。

1-2. 多様な経験値と成長機会

名だたる企業の現場から経営層を相手に、数多くの優秀なメンバーと課題解決に臨む仕事は、非常に学びが多いです。

正確に言うならば、学ばなければならない機会が多く、結果的に多様な経験やビジネスマンとしての成長を手に入れることができます。
あくまで、課題解決が目的であって、学びはその副産物です。

前提として、コンサルティングのプロジェクトは、X業界のクライアントに対して、Yというテーマで課題解決を提供します。
例えば、金融業界のM&Aという具合です。

そして、あらゆるプロジェクトにおいて、プロジェクトの性質に応じたドメイン/ソリューションに関する専門知識 + コンサルとしてのベーススキルが求められることになります。

金融業界のM&Aというプロジェクトであれば、以下の要素が必要になります。

  • ドメイン知識:金融業界におけるトレンド/ビジネスモデル/業界全体の課題など
  • ソリューション知識:買収に至るまでの戦略策定/候補企業の調査・分析/デューデリエンス/買収後の企業統合など
  • ベーススキル:ロジカルシンキング/ビジネスコミュニケーション/提案資料作成など

これらの掛け合わせで、コンサルタントとしての提供価値が生まれるため、クライアントの期待値を越えるためには、何一つ欠かすことができません。

日々、勉強ですね。

特にベーススキルに関しては、新卒や第二新卒のメンバーに対して、ある程度の研修を用意しているファームもあるため、新卒で入社するメリットの1つと言えるでしょう。
ある程度の職位で中途入社する場合は、最低限の社内手続き等の研修のみ行い、入社1~2週間目からいきなり現場のプロジェクトへ参画する流れが普通です。

ベーススキルは一朝一夕では身に付かないものの、非常に高いレベルで体現しているメンバーが、先輩として、マネージャーとして、パートナーとして在籍しているため、見て盗むことができます。

また、規模が大きいコンサルティングファームであれば、対象のドメインや提供可能なソリューションには幅があります。

本人が希望すれば、過去に培った知識やスキルを拠り所として、次は小売業界のテクノロジー系の案件といった新しい領域にも挑戦できるのです。

こうした自由度も、コンサルタントの魅力の1つではないでしょうか。

1-3. 採用数が拡大しているが故のチャンス

「内定者のレベルが下がっているから、内定獲得しやすい!」という話ではありません。

勿論、採用数が一桁や二桁であった数年前と比較すれば、内定者レベルの下限は下がっているでしょう。
ただ、一定数の優秀な人は在籍しており、レベルの上限は依然として高い状況にあります。

時として、入社後間もないコンサルタントは、同ランクや同時期に入社したメンバーと比較される機会があります。

コンサルタントの質に幅がある状況を踏まえれば、一種のアピールチャンスです。

あなたの上司であるマネージャーは、1つあるいは複数のケース/プロジェクトにおいて、スタッフロールのコンサルタントとチームを組んで働いています。

また、スタッフロールのコンサルタントであれば、何年も同じケース/プロジェクトに従事せず、本人の希望を考慮した多様な経験を積むべくして、一定期間毎にアサインされるプロジェクトは変わります。

つまり、マネージャーは色々なスタッフと働く機会があり、その中でスタッフに対する期待値が形成されていくわけです。

もし、あなたが上位1%のスーパーマンではなく、上位20%であったとしても、期待値次第でマネージャーからの評価は高いものとなるでしょう。

※勿論、ランク毎に求められる役割や期待値がファーム毎に設定されているわけですが、評価者であるマネージャーも人間ですから、評価には絶対的な要素だけでなく相対的な要素も含まれてしまいます。

高い評価が得られれば、希望するプロジェクトへのアサインも通りやすくなり、モチベーションが上がって、高パフォーマンスを出せるようになり、また高い評価が得られるという好循環に繋げることができます。

1-4. 幅広いキャリアへの入り口

不確実性が増す昨今において、コンサルティング業界は活況です。
コンサルティングファームへのニーズが増しているということは、コンサルタントを各会社が欲しているわけです。

即ち、転職市場においてコンサルタントは引く手数多という状況です。

多様な業界で種々のプロジェクトに携われるため、自身の興味や適性を見極めるファーストキャリアとして、コンサルを選択する方は多いです。

本格的に進みたい別の道が見つかったとしても、上で述べたような知識やスキルは、どの会社においても役立ちます。

圧倒的な業務量やスピード感、思考体力といったビジネスにおける総合格闘技とも言えるような、あらゆる要素を若い内から身につけられるという点では、キャリアにおいて潰しが効きます。

もし、やりたいことが明確であれば、一度コンサルティングファームで修行するという選択はただの回り道になってしまいます。

2. 新卒でコンサルへ入社する3つのデメリット

2-1. 専門性が身に付きづらい

コンサルティングファームでは、プロジェクトベースで仕事をすることになります。

そのテーマは多種多様であり、プロジェクトが変わる度に違った知識やスキルが求められるため、事業会社と比較して1つの専門性を磨き込むという側面が弱くなってしまいます。

例えば、1ヶ月前まで産業用ドローンの市場調査をしていたのに、今は金融業界のM&A系プロジェクトに携わっている、なんてこともあります。

職位が上がるにつれ、自身が専門としたい領域を決めて、その領域におけるプロジェクトのデリバリーを担うチームに所属することが多いですが、新卒で入社して数年間は専門性を決めずに、多様な領域でプロジェクトを経験していくことになります。

ファームによっては、入社時点であなたが所属する領域(チーム)を指定して、まず専門性を身に付けさせるということもあります。

2-2. 年収の水準が変わらない転職先は少ない

いざコンサルを辞めて転職しよう!と思った時に、コンサル時代と同程度の年収を維持しようとすると、意外と転職先の候補は少ないです。

ただし、コンサルタントとして何年も研鑽を積んで、専門性が磨けている場合はその限りではありません。

特にスタッフランクとして転職を検討する際、似たような仕事内容でなければ、年収を維持・向上できるポジションは限られているでしょう。

転職をする際は、あなたが何に重きを置くかによって選択が変わるため、自分自身の価値観と向き合い続けることが重要です。

  • 仕事内容
  • 年収
  • ワークライフバランス
  • ブランド

価値観と合致し、かつ今よりも良い選択肢として転職が選択できる状態で居るためには、常日頃から転職ポジションにも目を向けておくべきです。

2-3. コンサルティングファームの環境を当然と思うことなかれ

新卒でコンサルティングファームで叩き上げられた人が、事業会社ではパフォームしなかった、なんて話もよく耳にします。

その主な理由は、コンサルティングファームと事業会社における文化の違いに帰結します。

例えば、コンサルでは期限が近いタスクがあった際、夜通し作業する等のパワープレイで仕上げてくる人も居れば、ワークライフバランスを重視する事業会社では、仕事の優先度をトップダウンで調整する等して対応することもあるでしょう。

環境によって求められる能力やスキルは変わるため、コンサルで培った習慣は1度アンラーニングし、新たな環境に適応していく必要があります。

コンサルティングファームでは、若手の内から厳しいフィードバックを受けるといった業界特有の文化があるため、新卒で入社した場合、あなた自身の価値観に対する影響は小さくないです。

長い目で見て、常に前提を疑い、変化を受け入れる姿勢が重要です。

3. まとめ

いつもご覧いただき、ありがとうございます!

コンサルで働くという選択肢は、良い面もありますが、悪い面も当然あります。
その両方を理解した上で、あなたが納得のいく選択をするための一助となれば幸いです!

もし、キャリア選択に悩んだ際は、本記事のコメント欄でもTwitterのDMでも構いませんので、お声がけください。

また、そもそもコンサルタントってなに?という方は、以下の記事を読んでみてください。

コンサルタントってなに?仕事内容や求められるスキルを紹介!

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