コンサルティング業界

アクセンチュアは使い捨てだからやめとけ!ついていけないと言われる3つの理由

young man feeling regret on white background

アクセンチュアは中途社員を使い捨てしてるって本当?
アクセンチュアへの転職はやめた方がいい?

上記の悩みを解決します。

本記事の内容

  • 労働環境に対するアクセンチュアの取り組み
  • アクセンチュアへの転職は「使い捨て」だからやめとけ、と言われる3つの理由
  • アクセンチュアへの転職を目指す上での注意点

本記事の想定読者

  • コンサルティング業界に興味がある方
  • アクセンチュアへの転職を検討されている方
  • 転職エージェントからアクセンチュアへの転職を勧められた方

本記事を読むメリット

  • アクセンチュアへの転職でよくある失敗を知ることができる
  • アクセンチュアへの転職にあたって、意識すべきことを知ることができる

こんにちは、てらでぃーです。

最近、アクセンチュアは物凄いスピードで事業規模を拡大し、その成長に合わせて新卒・中途社員を雇い入れています。

私自身もコンサルティングファームで働く中で、転職エージェントやアクセンチュアから直接転職の引き合いが来ますし、周囲のメンバーにもよくそういった話が来ています。

結果的には、未経験からアクセンチュアへ飛び込む方も少なくない中で、「中途社員は使い捨てにされる」「転職はやめておいた方がいい」などという声も耳にします。

今回は、現役コンサルタントである筆者が、アクセンチュアへの転職って実際どうなの?という話を紹介していきます。

早速、本題に入ります。

1. アクセンチュアへの転職は「やめとけ」って本当?

結論としては、コンサルタントという職種で働くイメージ(業務内容やワークライフバランス等)を具体的に理解しているのであれば、全くもってやめる必要はありません。

むしろ、待遇や今後のキャリアを考慮すれば、非常に魅力的と言えます。

アクセンチュアと一口に言っても、そもそも職種自体も幅広いですし、入社後の仕事内容は多岐に渡ります。

まずは、あなた自身がやりたい・面白いと思える仕事であったり、目指すキャリアの方向性がある程度見えている状態でないと、それがアクセンチュアで実現できるか否か、ひいては転職すべきか否かを判断することは難しいでしょう。

ありがちな失敗例としては、「アクセンチュアへの転職を薦められて、よく分からないけど何となく入社してしまった」なんてケースです。

やりたいことが明確でないが故に、会社都合で興味のないプロジェクトに長期アサインされ、精神的・身体的にそこそこハードな働き方を数年間しただけで、新しく得られた経験は微々たるものだった、ということもあり得ます。

1-1. 残業が多すぎて書類送検?

2022年3月にアクセンチュアが社員に違法な残業をさせていた疑いで書類送検されたニュースは、記憶に新しいかと思います。

「アクセンチュア」書類送検 社員に違法な残業させた疑い

コンサルティング会社大手の「アクセンチュア」が社員に違法な残業をさせていたとして東京労働局は8日、会社などを労働基準法違反の疑いで書類送検しました。

書類送検されたのは、東京 港区のコンサルティング会社大手の「アクセンチュア」と労務を担当するシニアマネジャーです。

東京労働局や会社によりますと去年1月、ソフトウェアエンジニアとしてプログラミングなどの業務を担当する男性社員1人に1か月140時間余りの違法な残業をさせていたとして労働基準法違反の疑いが持たれています。

労働基準法では1日8時間、週40時間を超えて働かせ残業をさせる場合には労使で協定を結ぶ必要がありますが、労働局によりますと、「アクセンチュア」では協定を結ぶための手続きに不備があったということです。また、ほかの複数の社員についても違法な残業が確認されたということです。

「アクセンチュア」は、NHKの取材に「深くお詫び申し上げます。関係法令を順守し働き方改革を進めるために取り組んでいきたい」とコメントしています。

出典:NHK

本来は、残業時間に関して上限を定める「36協定」という労使協定を、会社と社員の代表間で締結しているはずでした。

社員を過酷な労働環境から守るための協定ですね。

36協定の特徴

45時間/月および360時間/年の残業を、時間外労働時間の上限として設定
・例外として業務上の繁忙期は、100時間/月および720時間/年の残業を、時間外労働時間の上限として設定
・ただし、時間外労働時間の「2ヶ月平均」「3ヶ月平均」「4ヶ月平均」「5ヶ月平均」「6ヶ月平均」が全て80時間/月以内
・時間外労働時間が45時間/月を超えることができる期間は、6ヶ月/年のみ

詳細が気になったら、厚生労働省が発行している「時間外労働の上限規制 - わかりやすい解説」を見てみてください。

さて、今回の件で問題になった点として、36協定自体が結べていなかったことが挙げられています。

ですが、そもそも140時間超/月の残業自体が、36協定で定められた上限の100時間/月を超過しているため、36協定が結べていたとしても過重労働だったことには変わりありません。

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参考までに、月140時間残業した場合の勤務時間をイメージしてみましょう。

2022年1月において、正月の三が日と祝日(成人の日)を休みとして、営業日数を19日と仮定します。
残業のトータルが140時間ですから、1日あたり7.5時間の残業です。

となると、「9-17時の通常勤務に加えて、24時半までの残業が1ヶ月間毎日続いた」という状況が想定されますね。

業界全体でホワイト化が進んでいる昨今においては、正直ほぼ見受けられないようなレベルの労働時間だと思います。

もちろん、中間報告や最終報告前で数日単位で長時間働くケースや、炎上したプロジェクトの火消しで数週間単位で長時間働くケースは無いとは言えない現実もありますが、、

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1-2. 働き方改革「Project PRIDE」

こうした長時間労働を減らすため、アクセンチュアでは2015年から全社を挙げて独自の働き方改革「Project PRIDE」に取り組んでいます。

今回、長時間労働がまだ存在するケースが表面化しましたが、アクセンチュアに限らず、数年前より労働時間に対する意識は確実に変わってきています。
また、表面化していないケースも含めれば、長時間労働の総数自体は減少傾向にあることを私も身の回りで実感しています。

働き方改革が必要な背景としては、法規制の順守も当然ではありますが、その他に2つの理由があると理解しています。

  • ビジネスとして高い売上成長を維持できている
  • 他ファームよりもカバーしているビジネスの範囲が広い

特に2については、戦略と言われる上流のみならず、システム・ITの導入といった下流の実行までを自社のケイパビリティで推進できるビジネスモデルは、他ファームにはない特徴です。

結果として、多様な人材がまだまだ必要であり、一昔前に求められていた激務な労働環境でも耐え抜けるスーパーマンだけでは限界がある、ということです。

特にコンサルティング業界においては、人が最たる経営資本となるため、優秀な人材を採用し、働き続けてもらうだけの魅力的な労働環境を提供する必要がありますよね。

さて、具体的な改革の内容として、制度変更を含めた方針の打ち出しから、意識面の改革まで繋げる一貫した施策を実施しています。

改革の結果として、一部具体的な指標は非公開ではありますが、次のような効果も定量的に確認できてます。

  • 残業時間の減少
  • 離職率の低下
  • 従業員数における女性比率の向上

2. アクセンチュアで使い捨てにされると感じる3つの理由

そんな労働環境の改善に取り組むアクセンチュアは、魅力的な企業ではありますが、実際に入社してみると、次のようなことを感じる人も居ます。

「スタッフとして使い捨てされているように感じる」
「周りに全然ついていけないため、評価が低く、年収も思ったほど上がらない」

具体的にどういった状況が起こりうるのかを見ていきましょう。

2-1. 想像していた"コンサルの仕事"ができない

コンサルタントという職業は待遇の話こそよく取り沙汰されますが、具体的な仕事内容が分からない人も少なくないはず。

例えばIT戦略の構想策定といった仕事をやりたいと思って転職したとしても、いざスタッフとして入社した直後は、一見地味に感じられるリサーチや議事録の作成ばかり、なんてことも。

業務に対する解像度が低いまま転職してしまった方は、仕事内容に対する認識の相違によって転職が失敗だったと感じてしまうこともあり得ます。

2-2. アサイン希望が通らない

転職活動中にしっかりと情報収集していたにも関わらず、入社前に聞いていた内容と違う仕事に長期間アサインされてしまうこともあります。

部門単位での組織再編や、転職先のチームが従事するプロジェクトの流動性によって、希望していた仕事に中々たどりつけない、といったケースです。

特にIT系のプロジェクトは、構想策定から実装・運用まで年単位の期間が必要です。
必ずしもプロジェクトの途中でアサインを変更できないことはないですが、一度プロジェクトに入ってしまえば、ある程度知見がたまったメンバーを簡単には手放したくない、という事情もあります。

よって、結果的にアサイン希望を満たすまでに、そうそう短くない時間を要する、なんてことは日常茶飯事です。

2-3. 仕事が厳しく、詰められてばかり

アクセンチュアでは大量採用を進めていますが、その中にはコンサルティング業界を未経験で転職される方も多く居ます。

事業会社からアクセンチュアへ転職すると、仕事を進める上で文化の違いを感じることがあります。

正解がない課題に対して真摯に取り組み、プロセスや成果物を自分の頭で考え抜いた上で議論していかないと、上司からの指摘は絶えず、仕事の質・スピードも上がっていきません。

特に新卒でアクセンチュアに入社したメンバーはそういった文化に慣れており、周囲と自分を比較して萎縮してしまうこともあるでしょう。

3. アクセンチュアへの転職を目指す上での注意点

上記のように、アクセンチュアへ転職したにも関わらず、入社後に失敗だったと後悔しないために、予め知っておいた方がいいことを3つ紹介します。

3-1. やりたい仕事を明確にし、情報収集を怠らない

アクセンチュアが幅広いサービスを手がけているとしても、それは全社レベルの話。

「色々なことに挑戦できる!」といって飛び込んだとしても、転職後に関わる仕事は基本的に1プロジェクト(場合によっては複数プロジェクト)の範囲内です。

つまり、個人レベルで関われる仕事の範囲は限定的なので、転職前に次の2点を考えておいた方がいいでしょう。

  • 何をやりたいか?
  • やりたい仕事はアクセンチュアで出来るか?

また、昇進するにつれて、自分の武器としての専門性を磨いておくことも求められます。

今はまだ自分がやりたい仕事がハッキリと見えていないとしても、転職後の自分任せにするのではなく、一度立ち止まって、仮説でもいいから方向性だけでも考えてみましょう。

3-2. ワークライフバランスは改善傾向だが、その分成果は求められる

「Project PRIDE」によって、従来のコンサルティング業界でまかり通っていたような長時間労働の機会は、減少傾向にあります。

労働時間が減った分、仕事が楽になったということは決してありません。

今までよりも短い仕事の時間で、今までと同等以上の成果が求められるわけですから、さらに高い能力・スキルが必要になります。

座して待っているのではなく、自ら能動的に成長するための機会を模索したり、上司を巻き込んで積極的にフィードバックをもらう、といった日々の積み重ねが重要です。

3-3. Up or Outから、Up or Stayへ

アクセンチュアでは「Up or Out」という昔ながらのスタイルから、「Up or Stay」に変わってきています。

「Up or Stay」とは、パフォーマンスが出ないからといってクビにするのではなく、どうすれば今の職位で必要なパフォーマンスを出せるか?という目線で、コンサルタントを育てていく文化です。

昨今、事業規模が拡大している背景もあり、ハードな環境についてこれる人材だけを残すようなやり方では十分な成長が見込めません。

ポテンシャルがある多様な人材を成長させ、活躍できる場を整える次のステージへと移行しているわけです。

しかし、クビにされないからと言って、パフォーマンスを上げる努力を怠ると、気づけば周囲と職位の差が開いてしまう状況もあり得ます。

4. まとめ

2022年に長時間労働で話題となったアクセンチュアですが、その裏では働き方改革「Project PRIDE」を推進しています。

そして、会社としての成長に伴い、採用も拡大しているわけですが、転職前に十分な情報収集を行わないと、いざ入社した際に「使い捨てにされている」と後悔してしまう可能性もあり得ます。

アクセンチュアが大量採用を進めている背景については、次の記事で解説しています。

【誰でも入れる?】アクセンチュアが中途社員を大量採用!実態や理由を解説

自らアクセンチュアの社員にアプローチしていくことも勿論大事ですが、一般的な情報については転職エージェントからも教えてもらうことができます。

志望動機のブラッシュアップや、ケース面接対策、転職後の立ち上がり支援までを無料で行っているエージェントも居るため、使わないともはや損です。

【無料】コンサル業界に強いおすすめの転職エージェント6選

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