上記の悩みを解決します。
■ 本記事の内容
・フェルミ推定とは何か
・フェルミ推定の進め方
・フェルミ推定におけるポイント
■ 本記事の読者
・コンサル就職/転職に興味がある方
・フェルミ推定の進め方を知りたい方
■ 本記事を読むメリット
・フェルミ推定の特徴を理解し、その進め方を理解できる
コンサルティング業界では、ケース面接と呼ばれる選考プロセスが存在します。
コンサルティング業界における選考プロセスの全体感をつかみたい方は、こちらの記事を参照ください。
本記事では、現役コンサルタントである筆者が、ケース面接の中でもフェルミ推定の特徴やその進め方について、解説します。
早速、本題に入ります。
目次
1. フェルミ推定とは
フェルミ推定とは、調査や特定が難しい数量を、論理的に概算するというものです。
例えば、「スターバックスコーヒーの1日の売上は?」といったお題が出されます。
一見、概算することが難しいように見えますが、練習すれば、誰でも出来るようになります。
ちなみに、電卓は、面接の中では使えないケースがほとんどです。
そして、面接官も正確な数値までは知らないことが多いですが、肌感覚で数字の規模感は分かります。
この面接においては、あなたの回答の正確性を測りたいのではなく、あなたの思考を見たいのです。
この面接の目的は、普段のプロジェクトワークと類似した面接を行うことで、コンサルに必要な次の能力を測ることを目的としています。
・論理的思考力
・コミュニケーション能力
2. フェルミ推定の進め方
フェルミ推定の基本的な進め方は、次の通りです。
❶ 前提の確認
❷ 情報の整理
❸ 数値の代入
順にポイントを解説していきます。
2-1. 前提の確認
概算にあたって、お題の中で定義が必要な情報を面接官と確認します。
先ほどのスターバックスの例だと、次のような確認が必要となります。
・市場は日本か、世界か
(聞いたことはないですが、他国かもしれませんね)
・全店舗を指すか、特定の1店舗を指すか
・特定の1店舗であれば、XXX店でよいか
1店舗の売上を概算するのか、日本中の全店舗の合計売上を概算するのかによって、その先の情報整理や計算が変わってきてしまいます。
前提の確認を確実に行うことで、計算の手戻りを防ぎましょう。
今回は、スターバックス 渋谷マークシティ店の売上を概算することとします。
2-2. 情報の整理
次に、具体的な計算を行うための論理を構築します。
計算自体は、論理を構築できた後に行いましょう。
途中で前提や論理が変わってしまうことがあるため、再計算の時間が勿体ないです。
スターバックス 渋谷マークシティ店の売上を求めるには、売上を要素分解していく必要があります。
売上 = 客数 × 客単価
売上 = 1時間あたり客数 × 営業時間 × 客単価
売上 = (1時間 ÷ 1人あたり接客時間) × レジ数 × レジ稼働率 × 営業時間 × 客単価
売上だけだと、概算できませんが、ここまで要素分解したら、どうですかね。
計算できそうな気がしてきませんか?
2-3. 数値の代入
いよいよ、最後のステップです。
導出した論理をもとに、あなたの知識や経験、面接官とのコミュニケーションから、必要な数値を仮定してください。
先ほどの例に関する各要素の数値を出していきます。
1人あたり接客時間:1分(スタバって、コンビニよりは接客時間長いですよね)
レジ数:4台(繁華街の店舗なので、多めでしょうか)
レジ稼働率:100%(今回は簡単化)
営業時間:7:00 〜 23:00(アクセスがよい渋谷駅のため、長め)
客単価:¥500(若者が多いため、ドリップ1:フラペチーノ2くらいの割合イメージです)
これらの値を先ほどの論理式に代入すれば、1日の売上は、約¥2,000,000と概算できます。
もちろん正確な数値では、ありません。
しかし、根拠を持って、各要素の数値を算出できれば、オーダー(桁数)が大きく外れることは、少ないです。
逆に、オーダーが大幅にずれるとしたら、どの要素であるかを、自身で考えながら、面接を進められるとよいでしょう。
3. フェルミ推定におけるポイント
フェルミ推定におけるポイントは、次の3つです。
❶ 基本的な数値は暗記する
❷ 全体感(抜け漏れがないか)を意識する
❸ 面接官からの質問/指摘はチャンスと捉える
3-1. 基本的な数値は暗記する
下記のような代表的な数値は、覚えておくとよいでしょう。
大体合っていれば、問題ありません。
むしろ、正確すぎると計算が煩雑になるため、計算しやすい値に丸めておいてよいです。
人口(日本):1.2億人
人口(東京):1,000万人
世帯(日本):5,000万世帯
国土面積(日本):約40万km2
平均寿命(日本):80歳
3-2. 全体感(抜け漏れがないか)を意識する
いきなり、細かく要素分解してしまうと、考慮できていない要素が出てくることもあります。
なるべく抽象的な概念からスタートし、徐々に具体性をあげていきましょう。
そうすることで、抜け漏れや重複して考えることを防げます。
3-3. 面接官からの質問/指摘はチャンスと捉える
面接官からの質問/指摘を受けた時に、自分の論理が間違っている、と落胆する必要は全くありません。
むしろ、論理をより正確にできるチャンスだと捉えましょう。
面接は、あなたの回答を発表する場ではなく、対話の場です。
面接官からヒントをもらいながら、より正しい回答に近づけるため、双方向のコミュニケーションを意識できると、よいかと思います。
4. まとめ
フェルミ推定において、正確性は重要ではありません。
コンサルタントの仕事においても、自身の知識が及ばないものについて考える機会が、とても多いです。
その時に、考え続けられるかどうか、といった要素が、非常に重要となります。
世の中には、フレームワークというものがあります。
これは、思考の時間を短縮化する便利ツールですが、無理にフレームワークを当てはめてしまうと、考えられていない、という評価を受けてしまいます。
常に、考えるクセをつけましょう!
ケース面接対策におすすめの本は、こちらの記事で紹介しています。
コンサルタントが薦めるケース面接対策の本5冊
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【保存版】ケース面接の対策となる考え方のコツ
【ケース面接例①】思考の構造化
【ケース面接例②】抽象化思考と具体化思考
【ケース面接例③】なぜなぜ分析で思考を深掘り
【ケース面接例④】思考のスピードを上げる
【ケース面接例⑤】マーケティングは消費者目線に立って考える
【ケース面接例⑥】自分の経験を意識した視点の使い方
【ケース面接例⑦】視座を上げる
【ケース面接例⑧】視野を広げる