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社会人2,3年目終わりの平均貯金額と、最低限の金融リテラシー

社会人2,3年目の終わりを迎えるけど、自分の貯金は同世代の平均よりも多い?
とりあえず貯金だけしてるけど、他に何したら良いの?
貯金あんまり出来てないけど、大丈夫?

上記の悩みを解決します。

本記事の内容

  • 年代別の平均貯金額
  • 資産を増やすための考え方
  • これだけはやっておきたい6選

本記事の想定読者

  • 社会人2,3年目終わりの平均的な貯金額が気になる方
  • とりあえず給料を全て銀行に預け入れている方
  • 投資に興味はあるけど、一歩を踏み出せない方

本記事を読むメリット

  • 年代別の平均的な貯金額を知ることができる
  • 資産を増やすための考え方を理解し、便利な制度を知ることで、お金の使い道としての選択肢を増やすことができる

こんにちは、てらでぃーです。

今回は、お金の話をします。

外資系コンサルティングファームに勤める同僚から、次のような質問を受けたことがきっかけで、この記事を書いています。

「給料を全額銀行に振り込んでるんだけど、投資とかって何かした方がいいの?」

お金の話は、中々人に聞きづらいテーマかもしれませんし、調べるとしても情報量が膨大なので、何から調べたらいいか分からない人も多いはず。

本記事では、年代別の平均的な貯金額から、具体的に何をすれば良いの?という私の経験談まで載せているので、参考にしてください。

早速、本題に入ります。

1. 社会人2,3年目終わりの平均貯金額は?

社会人2,3年目終わりの人であれば、平均的にどれだけ貯金できているでしょうか?

貯金と一口に言っても、銀行に入っているお金だけを指すのではありません。

  • 預貯金(銀行に預け入れているお金)
  • 預貯金以外の金融資産(株式、債券、保険、投資信託など)

という2つの概念があります。

上記の定義に基づいて、20~60代の平均資産額と預貯金割合は、下表の通りです。

世帯構成別 金融資産保有額および預貯金額

世帯構成 金融資産保有額 = ①+② 預貯金額(預貯金割合)= ①
20代 単身世帯 203万円 139万円(68%)
2人以上世帯 350万円 198万円(57%)
30代 単身世帯 484万円 247万円(51%)
2人以上世帯 644万円 284万円(44%)
40代 単身世帯 1,066万円 1422万円(40%)
2人以上世帯 1,177万円 550万円(38%)
50代 単身世帯 1,601万円 559万円(35%)
2人以上世帯 1,955万円 734万円(38%)
60代 単身世帯 1,872万円 795万円(42%)
2人以上世帯 2,154万円 1,184万円(55%)

※引用:金融広報中央委員会「令和2年(2020年)家計の金融行動に関する世論調査

特殊なケースを除いて、社会人の2,3年目であれば20代に該当するため、平均的な金融資産保有額は、単身世帯で203万円、2人以上世帯で350万円です。

また、20代単身であれば、金融資産を保有している世帯の内、資産額が100万円未満の割合が50%を占めており、中央値は81万円です。

一方、2人以上世帯であれば、金融資産の保有額自体は単身世帯よりも増える一方で、預貯金の割合は減っています。
これは、家族が増えるとともに、生命保険/損害保険/個人年金保険といった各種保険へ加入するケースが多いからです。

こうした情報を眺めていると、次のような疑問が生まれますよね。

「金融資産って、預貯金と預貯金以外と、どちらの形で持っている方がいいの?」

もちろん、資産によって性質が異なるため、一概には言えません。

直近で現金が必要になるライフイベント(引っ越しや結婚式等)と、急な事故や病気に備えた生活防衛資金(数ヶ月分の生活費)を除けば、あえて預貯金にしておく必要はない、と個人的には思います。

2. 資産を増やすための考え方

なぜ、預貯金にしておく必要はないの?という話をする前に、「資産を増やすための考え方」を整理していきます。

資産の種類は、上で少し触れましたが、別の切り口では、次のように分解できます。
金融資産 = ① 収入 + ② 運用 - ③ 支出

本記事では、② 運用の部分が主な内容になりますが、順番にみていきましょう。

2-1. 収入を増やす

最近は、本業の他に副業を始める方が増えていますし、企業側でも副業OKとするルールを設けるケースも増えています。

本業だろうが、副業だろうが、自分のスキル/能力を用いることで提供できる価値に対して、お金という報酬を貰うという仕組み自体は変わりません。

報酬を増やすには、次の2つの要素をクリアする必要があります。

  • 自分が提供できる価値を高める
  • 自分が提供できる価値を必要としている領域を探す

労働市場においては、自分という商品を売り込む必要があります。
そのためには、勉強したり、スキルを付けたり、経験を積んだりすることで、商品自体の価値を高めるということが必要です。

たとえ良い商品であっても、その商品を必要としている人や企業に届けないと、意味がありません。
逆に、同じ商品でも、買い手が受け取る価値が異なることもあります。

今回の例で言えば、あなたという同じ働き手に対して、スキル/能力がマッチしているポジションがあれば、企業によっては年収が上がるケースがある、ということです。

特に、私が居るコンサルティング業界は、他業界と比較して年収が高いため、興味があれば次の記事を読んでみてください。

【無料】コンサル業界に強いおすすめの転職エージェント6選

2-2. 運用で増やす

なぜ、預貯金にしておく必要はないの?という理由を述べていきます。 

前述の通り、この記事を読んでいるあなたを始めとして、資産の多くを預貯金として、銀行に預け入れています。

銀行に預け入れていると、「金利」という利息が返ってきますよね。

あえて説明しておくと、銀行に預け入れる = 銀行にお金を貸していることになるため、その手数料を利息として受け取っているわけです。

見方を変えれば、自分の資産を銀行の預貯金という形で運用している、と捉えることもできます。

改めて、主要な銀行の普通預金の金利を見てみましょう。(2021年8月5日時点)

  • みずほ銀行:年0.001%
  • 三菱UFJ銀行:年0.001%
  • 三井住友銀行:年0.001%
  • ゆうちょ銀行:年0.001%

年0.001%ですから、100万円を預金していれば、1年後には100万10円、10年後には100万100円になります。
非常に硬直的だと思いませんか?

次は、株式の1例として、Googleを運営しているAlphabet Inc.の株価を見てみましょう。(NASDAQ市場)

  • 2010/12/31時点:$296.98
  • 2015/12/31時点:$778.31
  • 2020/12/31時点:$1752.64

見方としては、2010年末時点で約$300だった株式を1株購入していれば、10年後には約$1750になっています。
簡易的に$1 = ¥100として換算すれば、2010年末時点で3万円の株式が、10年後には17万5000円になっていたわけです。

これは、株式を買うという行為で投資した先の会社の業績が良かったパターンですが、もちろん逆もあり得ます。
業績が傾き、その会社が倒産してしまえば、3万円の株式が0円の価値になる可能性もあるからです。

株式のような流動的な資産を保有することで、リスクを許容しながらリターンを得るという選択肢を知ることこそが非常に大事です。

とりあえず全員投資した方が良い、と言っているわけではなく、情報を学び、自分が取りうる選択肢を広げて、取捨選択しましょう、という話ですね。

選択肢を1つしか知らなければ、その道に進むしかないですが、選択肢を3つ知っていれば、比較してベターな道を選ぶことができます。

先ほど、20代の世帯は預貯金の割合が多いよね、という話をしましたが、
海外に目を向けて見ると、自分で資産を運用していく考え方が根強く、地域別の金融資産構成にも違いが表れています。

家計の金融資産構成

地域\金融資産 現金・預金 債務証券 投資信託 株式等 保険・年金・定型保証 その他
日本 54.2% 1.4% 3.4% 9.6% 28.4% 2.9%
米国 13.7% 6.0% 12.3% 32.5% 32.6% 3.0%
ユーロ圏 34.9% 2.0% 8.7% 17.2% 35.1% 2.2%

※引用:日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較(2020年)

特に、日本では年金制度が充実している背景もあり、時間を使って深く考える機会が少ないかもしれません。

アメリカやヨーロッパでは、自己責任で老後に向けた資産を形成する意識が強いため、投資信託や株式の割合が日本よりも高くなっています。

いざ運用するといっても、どれくらいの金額を運用すれば良いのでしょうか?

今ある資産を次の3つに分類すれば、③余剰金が運用の対象になり得ます。

  • 生活防衛資金:急な事故や病気に備えた3ヶ月~1年分の生活費
  • 生活準備金:引っ越しや結婚式など、近い将来で使う予定のあるお金
  • 余剰金:現時点で使う予定のないお金

例えば、余剰金を明確にしたい場合は、自分が普段使う口座とは別の口座を開設して、毎月の給与の2~3割を振り込み続ける、といった方も居ます。

まずは、自分の資産を棚卸しして、余剰金として使える金額がいくらなのか?を確認してみましょう。

2-3. 支出を減らす

支出を減らすことも、資産を増やすための選択肢の1つです。

支出項目にも2種類があり、まず改善すべきは固定費です。

  • 固定費:毎月決まった金額を支払っている費用項目(家賃やサブスクサービスなど)
  • 変動費:毎月異なった金額を支払っている費用項目(食費や水道光熱費など)

変動費を下げようと思うと、日々の生活の中で節約という意識を持ち続けたまま、ストレスのある生活を送らねばなりません。

対して、固定費を下げる場合、一度決断さえ出来れば、その後は自動的に支出額を抑えることが出来ます。

とは言え、自分が普段どれだけ何にお金を払っているかを把握しないことには、固定費も変動費も分かりません。

私は、マネーフォワード MEというアプリを使うことで、家計簿の作成を自動化し、日々の支出を見直す習慣をつけています。

まずは、自分自身の支出を把握することから始めましょう。

3. これだけはやっておきたい6選

自分がやっている取組みを紹介していきます。

もしまだ始めていない内容があれば、ぜひ本記事を参考にしていただければ幸いです。

  • 資産管理
  • iDeCo
  • つみたてNISA
  • ふるさと納税
  • MVNO
  • (番外編)投資信託5万円/月 ※楽天ユーザー向け

3-1. 資産管理

少し触れましたが、私はマネーフォワード MEというアプリを使って、家計簿の作成 + 資産管理をしています。
無料で十分な機能が提供されているため、まだ使ったことがない方はぜひ試してみてください。

家計簿作成の機能:ECサイトのアカウントやクレジットカード情報を連携させることで、使った金額を食費 or 家賃 or 日用品費・・・という費目毎に自動で割り振ることができる

資産管理の機能:銀行口座や株式、投資信託などの資産推移を1つのアカウントに集約して確認できる

このアプリを使うまでは、クレジットカード毎に別々のアプリや各WebサービスのURLから支払い金額を確認する必要がありました。

しかし、このアプリで一度アカウントを連携してしまえば、いっぺんに全てを確認できるため、非常に便利です。

ただ、たまにECサイトの買い物など、アプリ側で内容を判別できない場合は、未分類となってしまうため、個別で「これは食費でした」「これは家具・家電代でした」と修正しなければなりません。

1回修正してしまえば、次回以降の同じ支出は同じ費用項目が適用されるため、さほど手間ではないです。

3-2. iDeCo

iDeCoとは、 個人型の確定拠出年金という私的年金の制度です。

確定拠出年金制度
拠出された掛金とその運用収益との合計額をもとに、将来の給付額が決定する年金制度です。
掛金を企業が拠出する企業型年金と、加入者自身が拠出する個人型年金(iDeCo)があります。
※引用:厚生労働省「確定拠出年金制度の概要

上記制度と通常の運用との違いとして、3つの節税メリットがあります。

  • 掛金が全額所得控除
    掛金が全額が所得控除の対象となるため、課税所得が減り、所得税および住民税が軽減されます。
  • 運用益が非課税
    通常、金融商品の運用によって得られた利益は課税対象となり、受取時は実質的に減額されますが、iDeCoで得られた運用益は非課税です。
  • 受取時に控除
    受取時に退職所得控除、または公的年金等の控除の対象となるため、課税所得が減り、所得税および住民税が軽減されます。

ただし、注意点もあるため、気をつけましょう。
1つ目、勤め先の企業/自営業によって、加入している年金制度が異なるため、拠出可能な金額も異なります。
2つ目、原則として60歳になるまで資産を引き出すことが出来ません。

iDeCoを始めるには、iDeCoを取り扱っている金融機関で、専用の口座を開設しましょう。
銀行口座と違って、iDeCoは1人1口座までしか開設できないため、どこの金融機関で開設するかは、自分で考えて決める必要があります。

初期費用/毎月かかる口座管理手数料/商品のラインナップを考えれば、楽天証券SBI証券がよいかと思います。
私は楽天系の他サービスを併用しているため、楽天証券で開設しました。

3-3. つみたてNISA

つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための運用益が非課税になる制度です。
似たような名前のNISAという制度もありますが、こちらはつみたてNISAよりも短期かつまとまった金額を投資するための制度です。

  つみたてNISA NISA
非課税投資枠(年間) 40万円 120万円
非課税期間 最長20年間 最長5年間
投資可能期間 2018~2037年 2014~2023年
投資対象商品 投資信託 株式、投資信託

※引用:金融庁「つみたてNISAの概要」「NISAの概要

つみたてNISAは、投資の初心者に向いています。
理由は、対象商品として、長期的に積み立てた際に運用益が出るであろう投資信託が、金融庁によって厳選されているからです。

また、投資可能期間が気になる方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
2024年に施行されるNISA制度の改正によって、つみたてNISA、およびNISAの投資可能期間は、5年延長される予定です。

つみたてNISA、およびNISAは、1人1口座までしか開設できないNISA口座が必要となります。
iDeCoと同じ金融機関で開設すれば管理が楽なので、楽天証券またはSBI証券がオススメです。

3-4. ふるさと納税

ふるさと納税は、自分で選んだ自治体に対して寄付を行なった場合に、2,000円を超えた分の金額が所得税と住民税から控除される制度です。

平たく言えば、自治体への寄付によって、住民税や所得税の減額とともに、自治体からの返礼品を受け取ることが出来る仕組みです。

寄付することで享受できる控除額には上限があり、収入や家族構成等によってその上限が変わりますので、注意が必要です。
ご自身の控除額について、詳細を知りたい方は、こちらから調べてみてください。

返礼品については、食料品(シャインマスカット生ビール等)の他にも、掃除機といった家電製品まであります。
冷蔵庫や物置のスペースを考慮して、数ヶ月に分けて配送してくれるような定期便(お米等)もあるため、上限を超えない範囲で寄付先を探してみてください。

実際に寄附金控除の適用を受けるためには、確定申告が必要となります。
寄付先の自治体が5団体以内であれば、ワンストップ特例制度を用いて、納税時(返礼品の購入時)に意思表示をすることで、納税者側の確定申告は不要となります。

ただし、医療費控除の申請など、別の事由で確定申告をする必要がある場合は、ワンストップ特例制度は適用できません。

基本的に数万円単位の買い物になりますが、楽天市場で購入すれば、楽天ポイント還元の対象になるため、キャンペーンの時期によっては数千円のキャッシュバックを受けることができます。

おすすめの返礼品は、楽天roomにまとめてみました。

3-5. MVNO

MVNOとは、Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略称です。
ドコモ、au、ソフトバンクといった大手の通信事業者から、通信インフラを借り受けて、サービスを提供する事業者を指します。

通信インフラを借り受けるということは、基地局の設置といった初期投資やメンテナンスコスト等の維持費が必要ないため、比較的安価な値段でサービスを提供することが出来ます。

従来は、通信キャリアの選択肢が少なかったため、月額¥5,000 ~ ¥7,000でハイクオリティなプランを契約していた方も多いかと思います。

しかし、人によっては
「同じキャリアの携帯電話との通話が無制限だけど、LINE通話しか使わない」
「通信容量が無制限だけど、自宅のWi-Fiを利用しているから、通信容量が要らない」
など、サービス過多の状況がありました。

そのため、MVNOは低価格かつ特色のあるプランを打ち出すことで、多様なニーズに応えようとしています。

私は楽天モバイルを利用しており、簡単にメリット/デメリットを記載しておきます。

メリット

  • 料金プランが利用データ量に応じて変動する価格体系であり、ユーザー最適となっている
    (~1GB:¥0、1~3GB:¥1,078、3~20GB:¥2,178、20GB~:¥3,278) ※2021年8月時点
  • 楽天市場でポイント還元がある

デメリット

  • 回線エリアが限定的で、場所によっては電波が繋がりにくい(郊外/地下/大きい建物の内部)
  • 実店舗は少ないため、サポートが受けづらい

他にも事業者は多く存在しているため、自分に合ったサービスを探してみてください。
携帯電話の料金のような固定費の見直しをすることで、支出が大幅に改善します。

3-6. 投資信託5万円/月 ※楽天ユーザー向け

番外編として、楽天ユーザー向けの内容です。
楽天証券では、毎月¥50,000まで楽天カードで投信積立を購入することができ、決済額に応じた楽天ポイントが付与されます。

単純に、資産を預金 → 投資信託に変えるだけでポイントが付与されるため、楽天ユーザーであれば損ではない話だと思います。

ただし、投資信託を購入する際の取引手数料や、投資信託自体の管理費用は掛かるため、留意しましょう。

また、楽ラップ、iDeCo、未成年口座、ジュニアNISA口座、法人口座は対象外となります。

4. まとめ

いかがでしたでしょうか?

勿論、投資はリターンもあればリスクもあります。

本記事の記載について、初めて目にする内容があれば、是非あなた自身の手で情報を調べて、取捨選択していただければ幸いです。

万人にとって、お金が全てということもないですが、生活する上では必ず必要になります。

お金の使い道として、老後の資産形成を意識した投資は、あくまで1つの選択肢であり、勉強という自己投資や、新しい経験が得られる旅行も、同じく1つの選択肢です。

本記事がお金との付き合い方を考えるきっかけになれば幸いです。

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