構造化って何?
上記の悩みを解決します。
■ 本記事の内容
・ケース面接例:在宅勤務制度を本格導入するには?
・構造化して考える
■ 本記事の読者
・コンサル就職/転職に興味がある方
・ケース面接の練習をしたい方
■ 本記事を読むメリット
・物事を構造化して考えられるようになる
ケース面接には、売上2倍といった数字を用いるテーマのみならず、ソフトなテーマを考えさせられることも多いです。
今回は、組織・人事系を扱います。
組織・人事系の話題について、学生は携わる機会が少ないため、どちらかと言えば、中途向け面接のお題になるかもしれません。
インターン等で組織・人事関連の経験がある学生や、人事部に所属し制度改革に携わった社会人は、非常に少ないでしょう。
しかし、学生であれば、アルバイトを通して人事制度に触れている方も多いですし、社会人であれば、所属先の人事制度を学んだ経験がある筈です。
その経験をもとに考えていただければ、と思います。
そもそもケース面接とは何?という方は、次の記事をご覧ください。
新卒に関するコンサルの選考プロセスを知りたい方は、次の記事をご覧ください。
早速、本題に入ります。
1. ケース面接:在宅勤務制度を本格導入するには?
あるコンサルティングファームが、在宅勤務制度の本格導入に踏み切りたい、といった状況を考えます。
ここでは、本格導入は決定事項であり、何について考えればよいか?をケース面接のテーマとしましょう。
コンサルの実プロジェクトを想定し、どういったことを考えればよいか?という全体像を考える必要があります。
在宅勤務制度と聞けば、すぐに思い浮かぶ要素として、「週に何回まで在宅勤務でよいか」「どのように評価するか」「評価に紐づく給料への反映はどうするか」といったものが挙げられます。
その3つ以外に検討すべきことは、本当にないですか?
考えを巡らすために相槌を打ちつつ、日頃から携わっているインターンのことを考えてみる。あなたは、インターン先が在宅勤務を導入した時に、インターン生が集められて、説明会を実施していたことを思い出す。
そうですね・・・。
インターン生や社員に対して、説明することも考えるべきだと思います。
また、社員と一括りにしていますが、何かで分類することは可能ですか?
社員については、現在の仕組みに詳しい既存の社員と、新しく入ってくる新入社員で分けることができます。
他に考えるべき要素は、ありませんか?
まだ考えるべき要素があるのかと思いながら、さらにインターンの時のことを必死に思い返す。そうすると、在宅勤務時は、メンターがよく目標設定とその達成状況について、フィードバックをくれていた事を思い出す。
では、今まで出していただいた要素を、整理いただけますか?
目標設定、目標に対する進捗確認、頻度、評価、給与への反映、インターン生への説明、既存社員への説明、新入社員への説明
の8つです。
理解が追いついていないのですが、分かりやすく、まとめるとは、具体的にどういったことを指しているのでしょうか?
そうですね、具体例を交えましょう。
例えば、在宅勤務における目標をどう設定するか?という話と、インターン生への説明をどう行うか?という話は、同じレベルの話でしょうか?
在宅勤務制度の中身の話と、その導入の話という意味では、異なります。
他の要素についても、同様に整理出来ますか?
(あ、そういうことか)
目標設定/頻度/評価/給与への反映という在宅勤務制度の中身の話と、インターン生/既存社員/新入社員への説明という導入の話に分けられます。
よく考えれば、目標に対する進捗確認は、評価に含まれる話だと考えました。
一旦、ここで区切ります。
2. 構造化して考える
今回は、構造化して考えることの重要性を紹介します。
そして、構造化とは、物事の関係性を整理することを指しています。
関係性の種類には、包含関係や、並列関係がありますね。
上の例で言えば、7つの要素は並列ではありませんでした。
まず、大きな要素として、次の2つがありました。
1. 制度の中身の話
2. 導入時の話検討すべき要素の順番としては、1 → 2でしょう。
そして、それぞれに4つと3つの小さい要素が、含まれていましたね。
このように、検討すべき論点が何で、その優先順位が分かっている状態を、構造化された状態と理解してください。
構造化して考えることのメリットは、次の2つです。
❶ 全体感がつかめる
❷ 網羅的に考えられる
❶については、全体感を把握することで、検討すべき優先順位が明らかになります。
❷については、関係性を意識することで、モレなくダブリなく(MECEに)考えることが可能になります。
初めから、大きな論点を考えられないこともあるでしょう。
そうした場合には、まず小さい論点を検討した上で、抽象化を意識することで、構造化が可能となります。
・抽象化:小論点から大論点を考える
・具体化:大論点から小論点を考える
3. ケース面接の補足
今回の面接では、議論は途中で終わっています。
議論を継続すれば、他にも検討すべき要素が、次々と見つかることでしょう。
制度の中身を検討する際に、5W1Hを考えることができれば、在宅勤務を認める条件や期間/就業時間/就業場所といった別の要素も出てきます。
また、在宅勤務制度の導入によって、影響を及ぼす他の社内制度もあるでしょう。
時間軸の視点があれば、短期的には、勤怠管理制度をどうする?という話があります。
長期的には、在宅勤務を導入により労働生産性が上がって、全社の社員数を縮小させるなど、採用制度に影響を及ぼす可能性もあります。
4. まとめ
在宅勤務制度って、いいですよね。
一般的には、次のようなメリットがあると言われています。
❶ 労働生産性の向上:予定外の連絡といった差し込みが減ります
❷ 通勤に関わるコスト削減:混雑時の通勤による金銭的/肉体的/精神的負担を軽減できます
❸ 良質な人材確保:ライフスタイルやワークライフバランスを重視する優秀な人材を失いにくくなります
こういったメリットも構造化すると、頭の中に入ってきやすい筈です。
以上で、構造化とは何か、が理解できたと思います。
常日頃から構造化して考えるクセをつけることで、頭の中が整理されますし、整理した先に気づきや学びがあります。
気づきや学びは、単純に暗記したモノよりも忘れにくいですから、より脳が成長します。
そして、その気づきや学びの上に、新たな気づきや学びが生まれるため、好循環が続きます。
是非、今日から構造化を意識してみてください。
ケース面接対策におすすめの本は、こちらの記事で紹介しています。
コンサルタントが薦めるケース面接対策の本5冊
ケース面接事例集は、こちら。
【保存版】ケース面接の対策となる考え方のコツ
【ケース面接例題①】思考の構造化 ← 今ココ
【ケース面接例題②】抽象化思考と具体化思考
【ケース面接例題③】なぜなぜ分析で思考を深掘り
【ケース面接例題④】思考のスピードを上げる
【ケース面接例題⑤】マーケティングは消費者目線に立って考える
【ケース面接例題⑥】自分の経験を意識した視点の使い方
【ケース面接例題⑦】視座を上げる
【ケース面接例題⑧】視野を広げる