上記の悩みを解決します。
■ 本記事の内容
・ケース面接とは何か
・ケース面接の進め方
・ケース面接におけるポイント
■ 本記事の読者
・コンサル就職/転職に興味がある方
・ケース面接の進め方を知りたい方
■ 本記事を読むメリット
・ケース面接の特徴を理解し、その進め方を理解できる
コンサルティング業界では、ケース面接と呼ばれる選考プロセスが存在します。
コンサルティング業界における選考プロセスの全体感をつかみたい方は、こちらの記事を参照ください。
本記事では、現役コンサルタントである筆者が、ケース面接の中でも、"ビジネスケース"(※上述の記事を参照)の特徴やその進め方について、解説します。
早速、本題に入ります。
目次
1. ケース面接とは
ケース面接とは、正解のないお題に対して、課題の仮説を立て、解決策を考案するというものです。
例えば、「ラーメン屋の売上を1.5倍にするには」といったお題が出されます。
この面接の目的は、普段のプロジェクトワークと類似した面接を行うことで、コンサルに必要な次の能力を測ることを目的としています。
・論理的思考力
・コミュニケーション能力
面接官は、あなたが提示する解決策自体を知りたいのではなく、あなたの思考の過程を知りたいのです。
2. ケース面接の進め方
ケース面接の基本的な進め方は、次の通りです。
❶ 定義の確認
❷ 情報の整理
❸ 課題の特定
❹ 解決策の提示
順にポイントを解説していきます。
2-1. 定義の確認
お題を与えられたら、まず曖昧な前提や不足している情報を、面接官に確認します。
その際、可能な限り、クローズドクエスチョンで質問することを心掛けてください。
・クローズドクエスチョン:Yes or No
例:ラーメン屋の立地は、東京駅構内ですか?
・オープンクエスチョン:自由回答
例:ラーメン屋の立地は、どこですか?
オープンクエスチョンは、相手に考えさせる質問です。
正解はわからずとも、自身で仮説を立てて、確認するようにしましょう。
2-2. 情報の整理
確認した定義/前提をもとに、考える対象を構造分解して、整理していきます。
例えば、売上の場合は次のように分けられますね。
売上 = 客数 × 客単価
売上 = 販売価格 × 販売数量
売上 = 1坪あたり売上高 × 売場面積
売上 = 時間帯別売上高 × 営業時間
客数は時間帯別/性別/年代別といった要素で、さらに分解できます。
情報は、細かい要素に分解できるのです。
情報を細部に分解することで、具体的な情報をイメージしやすくなるのです。
ラーメン屋の1日の売上は、イメージしづらいかもしれません。
東京駅構内のラーメン屋における、12時 - 13時の来店客数ならどうでしょうか。
解像度が上がったため、情報をイメージしやすくなりませんか?
こうした情報の整理によって、課題がどこにあるかを特定しやすくなります。
そして、構造分解する時に、大事な要素は視点です。
分解して意味のある要素に着目し、情報を整理しましょう。
2-3. 課題の特定
整理した情報に基づいて、どこが課題となる要素なのかを分析します。
繰り返しになりますが、正解はないですから、仮説を立てることが重要です。
なぜ、客数が肝となる要素だと考えたのか
なぜ、営業時間が肝となる要素だと考えたのか
自分の考えを、自分の言葉で述べましょう。
2-4. 解決策の提示
課題を特定できたら、その課題を解消するような解決策を考えます。
この解決策を考える材料は、最初に確認した前提や、自分の知識と経験、さらに面接官とのコミュニケーションがベースとなります。
複数の解決策がある時、どの解決策が最も重要かを評価する必要があります。
次の2つの質問に対する回答を考えながら、あなたが最も重要と捉えた理由を説明できるとよいでしょう。
効果が高いか?
本当に実現可能か?
3. ケース面接におけるポイント
ケース面接におけるポイントは、次の2点です。
❶ 論理の飛躍をなくす
❷ 面接の中で、解をブラッシュアップする
3-1. 論理の飛躍をなくす
「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺を、聞いたことがあるでしょうか。
このままだと、なぜ風が吹けば、桶屋が儲かるかは分からないですよね。
その論理は次の通りです。
風が吹く → 土ぼこりが立って、目に入り、盲人が増える
盲人が増える → 三味線で生計を立てる人が増える
三味線の需要が増える → 三味線の胴に必要な猫の皮の需要が増える
猫の皮の需要が増える → 猫が減り、ねずみが増える
ねずみが増える → 桶がかじられて、桶の需要が増える
桶の需要が増える → 桶屋がもうかる
こうした説明があって、初めてその内容が理解できるのです。
論理は、誰にでも通じる共通言語です。
論理の飛躍をなくし、誰にでも理解できるような説明を心掛けてください。
3-2. 面接の中で、解をブラッシュアップする
ケース面接は、あくまで面接です。
ケース問題を解くこと自体が求められるのではなく、ケース面接に突破することが求められます。
面接官からの質問や指摘を受けて、
・質問に対して、どう答えるのか
・自身の思考を、どう軌道修正するのか
といった点が見られます。
ケース問題を解くだけでなく、模擬面接を行うことで、より面接を円滑に進めることができるでしょう。
4. まとめ
コンサルティング業界を目指すなら、ケース面接は避けて通れない道です。
本記事を読んで、事前の対策を入念に行うことをおすすめします。
ケース面接対策におすすめの本は、こちらの記事で紹介しています。
コンサルタントが薦めるケース面接対策の本5冊
ケース面接の事例集は、こちら。
【保存版】ケース面接の対策となる考え方のコツ
【ケース面接例①】思考の構造化
【ケース面接例②】抽象化思考と具体化思考
【ケース面接例③】なぜなぜ分析で思考を深掘り
【ケース面接例④】思考のスピードを上げる
【ケース面接例⑤】マーケティングは消費者目線に立って考える
【ケース面接例⑥】自分の経験を意識した視点の使い方
【ケース面接例⑦】視座を上げる
【ケース面接例⑧】視野を広げる